おとぎ話の王様のお城

おとぎ話の王様のお城

© Reinhard Schmid/Huber/eStock Photo

バイエルン国王であったルートヴィヒ 2 世は、その 1864 年から 1883 年までの治世中、とある時点で嫌気が差したと言われています。大臣たちの争い、陰謀渦巻く国際政治、帝国建設の野望など、つまるところ政治に飽き飽きしてしまったのです。ルートヴィヒ 2 世は音楽と観劇をこよなく愛した、感受性豊かな国王でした。特にリヒャルト・ワーグナーの、ドイツの神話や英雄をテーマにした目の覚めるようなオペラのとりこになりました。やがて国王は、国の問題ではなく幻想世界を追求し始めてしまい、「おとぎ話の王様」と揶揄されるようになってしまいました。とはいえ、ルートヴィヒ 2 世が遺した城は、ドイツを象徴する名建築となりました。この城の名前はノイシュヴァンシュタイン城。1868 年に建築が開始サれて以来、完成を見てはいませんが、世界でもトップクラスに訪問者の多い城であり、年間約 150 万人もの人々が訪れます。しかもこの城は、歴史上のシンボルであるだけでなく、ポップ カルチャーの分野でも有名です。ディズニーランドの有名なシンデレラ城も、このノイシュヴァンシュタイン城から着想を得ています。