雲海に浮かぶ雪山,モン・スニ山塊,サヴォワ県,フランス

雲海に浮かぶ雪山,モン・スニ山塊,サヴォワ県,フランス

© Luca Biolcati/Sime/eStock Photo

アルプスの空の下で

イタリアとの国境近く、フランスのサヴォワ県に、モン・スニという山塊がそびえ立っています。最高峰の標高でも 3,600 m ほどで特に高い山ではありませんが、長い尾根の一部、グライエ・アルプス山脈とコッティア・アルプス山脈を結ぶ峠には、大昔のローマ帝国の属州名に基づく地名からもわかるように、長い歴史があります。フランスのグルノーブルとイタリアのトリノというアルプス文化の中心を担う 2 都市の間に位置するこの峠は、現在も地域の交通と物流、そして旅客交通における重要な役割を果たしています。

雪冠をいただいたモン・スニ山塊の峰々が眼下の雲海から顔を出し、満天の星が瞬く夜空にたなびく雲がわずかに街の光を映しています。この峠は、紀元前3世紀にハンニバルがゾウを率いてアルプスを越えたとされる伝説の地でもあります。悠久の時を経て変わらぬ壮大な自然は、現代を生きる私たちに、歴史の重みと静かに息づく風情を今も伝え続けています。