ヴェストラホルン山の姿
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ぎざぎざと切り立ち、霧がかった山のふもとで、すすのように黒い砂浜に波が打ち寄せています。まるで J・R・R・トールキンの『指輪物語』に出てくる影の国、モルドールのリゾート地のようですが、もちろん違います。ここは「中つ国」ではなく、大西洋の真ん中、アイスランドの人里離れた南東海岸にそびえるヴェストラホルン山です。アイスランド東部には非常に人が少なく、ただでさえ少ないアイスランドの人口 (387,000 人) の約 3.5% しか占めていません。しかし、自然を愛する人ならば、美しい景色の中にたくさんの生物を見つけるでしょう。アザラシやツノメドリなどは、このような岩だらけの海岸によく集まりますし、さらに内陸に目を向ければ、アイスランドで唯一ここに生息する野生のトナカイの群れを見ることができます。