呪いの橋?
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ヨーロッパ各地に「魔橋」と呼ばれる石造りのアーチ橋が存在し、その多くは、渡ると呪われると伝えられています。ドイツのガプレンツにあるこのラコッツブリュッケ (ラコツ橋) は 19 世紀に建てられたものです。渡っても悪魔の餌食にはならないでしょうが、壊れやすいため法律で立ち入りが禁止されているので、足を踏み入れたが最後、地元警察から呪いより恐ろしい出頭命令をかけられることでしょう。径間部分に何も支えがないように見えるので、猜疑心の強い人でも悪魔の迷信を信じてしまいそうになりますが、いったいどのように建てられたのでしょうか。まず、アーチ型の木製支保工を造り、その上に石を組んでいきます。最後に、中央に要石 (キー ストーン) をぴったり組み込み、その後で支保工を取り除くと、石同士の間が締まり、重力と摩擦によって全体が堅固な構造になります。これは黒魔術ではなく、物理学の巧みな利用なのです。