くちばし界の大物
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熱帯雨林に生息するサンショクキムネオオハシの英名は「keel-billed toucan (竜骨のくちばしを持つオオハシ)」です。弧を描く大きなくちばしの形が、船底の竜骨 (キール) の構造に似ているからでしょう。また、これもくちばしの特徴から「rainbow-billed toucan (虹色のくちばしを持つオオハシ)」としても知られています。少々バランスが悪そうにも見えますが、巧みにくちばしを操れる鳥です。オオハシは社会性の高い鳥で、協力し合ったり競い合ったりする様子がよく見られます。くちばしを使って果実を仲間に投げ渡す様子はまるでアクロバティックなキャッチボールですし、同じ仲間とくちばしで決闘する姿はさながらフェンシングのようです。しかも人間と違って鼻の骨を折る心配はありません。オオハシのくちばしは、ウマのひづめやサイの角、そして人間の爪にも含まれる固い構造のタンパク質、ケラチンでできています。