飛べなくとも工夫を凝らして
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ジェンツーペンギンは主に亜南極の海の島々に生息していますが、この写真の個体は、南極大陸本土に生息するかなり大きな個体群に属しています。南極大陸のジェンツーペンギンのコロニーは南極半島の先端を拠点としており、ここには他にもヒゲペンギン、コウテイペンギン、アデリーペンギンなどがひしめいています。残念ながら、南極大陸のこの地域は、北極を除けば地球上で最も速いペースで温暖化しており、たとえば氷上に生える藻類を食べるオキアミを主食としているアデリーペンギンの生活が脅かされています。とはいえ、明るい話題もあります。ジェンツーペンギンは気候変動に対応して生活の仕方を変え、新しい食料源と繁殖場所を見つけ出しているのです。この柔軟性のおかげで、ジェンツーペンギンは南極地域で最も速く、かつ唯一、個体数を増やすことができました。