絵画、それとも写真?

絵画、それとも写真?

© Constantine Johnny/Moment/Getty Images

この夕焼けの写真は抽象表現主義の絵画を彷彿させるかもしれませんが、母なる自然は顔料などは使わず、光を切り分けて色彩を作り出しています。日没または日の出のとき、太陽から発された白色光は、目に入るまでに日中よりも長い距離を移動することになり、そのぶん大気の分子に多く衝突します。この分子の存在により、光はプリズムを通したときのように分散し、色のスペクトルの一部は網膜に到達できなくなります。特に青や緑など、波長の短い寒色は届きづらくなります。こうして人の視神経は、届いた可視光線、つまり、ブラシで刷いたようなオレンジや紫の、暖かな色彩だけを脳に伝えることになるのです。