古代遺跡の発掘調査
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エジプト人がピラミッド建設のために大きな石塊を砂地に切り出して運んでから数千年後、ナバテア人が省力化のためのアイデアを思いつきました。石のあるところで建築をすれば良いのです。現在はペトラ (ギリシャ語で石を意味する名前) として知られるこの場所は、赤みがかった色の砂岩で作られています。これらの石材は 1 世紀頃に崖から切り出されたもので、現在ではヨルダンの中でも傑出した観光名所として年間約 100 万人が訪れています。このように人の注目を集めていることは、神秘的な雰囲気を湛えた宝物殿、エル・ハズネにとっては祝福でもあり呪いでもあります。大勢の観光客が地元経済を活性化させている一方で、人の身体から発される湿気が、遺跡の風化を加速させてしまっています。ペトラの細密な建築を構成する砂岩は、すでに自然の作用で侵食されている状態なのです。